Linux / FreeBSD であれば、ibus-anthy が親指シフト (NICOLA) を標準でサポートしているので、それを利用してください。
『Q's Nicolatter for X 』は,X Window System環境用の日本語入力サーバーなどをパッケージしたものです。
Q's Nicolatter for X is a Kana-Kanji keyboard input method server. It provides a common operation method over X applications which process Japanese text. It can be used with Gtk+, Qt, etc. applications. It supports the Romaji-Kana, JIS Kana and NICOLA keyboard arrangements.
特徴:
Q's Nicolatter for X には,次のプログラムが含まれます。
![]() ktermでの使用 | ![]() Tkアプリケーションでの使用 |
(2000.11.05更新)
Linuxシステムはサーバ分野を中心に広く使われるようになってきていますが,デスクトップ分野ではMicrosoft Windowsなどを強力にリプレースする存在とはなっていないように見えます。デスクトップ分野でLinuxシステムを活用するためには,よりグラフィカルなメーラー,統一的なヘルプシステム等々,一層の整備が必要です。
しかし,現状では,デスクトップ環境としてLinuxシステムを利用するには,より基本的なところで違和感を覚える部分があります。その一つが日本語入力です。例えばFSF Emacsなどは独自にかな漢字変換を実装していますが,このようなアプリケーションが多いと,操作性が不統一となるきらいがあります。また日本語入力サーバーとしてはkinput2などがすでにありますが,文章を多く書くには挙動がやや不自然であり,また能率もあまりよくありません。
Q's Nicolatterは,快適な日本語入力環境をX環境全体で提供することを目標として開発されました。
Q's NicolatterはXIMをサポートしたアプリケーション間で統一的な日本語入力インターフェイスを提供します。たとえば,Emacs, Netscape Communicator, GNOMEアプリケーション,KDEアプリケーション等,最近のものであればソフトウェアを選びません。また,広く活用されるために,提供する日本語入力方法は特殊なものではなく,馴染みやすい,ローマ字かな,JISかな,NICOLA(親指シフト)を基本としています。
しかし,単にローマ字かな入力を提供するだけではなく,不自然な挙動を排して,引っ掛かりのない日本語入力に注力しています。ローマ字かな入力については,検討した結果,次のような操作とすることにしました。すなわち,ローマ字からかなへ変換した後は音節単位で管理します。例えば[k], [y], [o]と入力した後で[Backspace]を打つと,「きょ」を削除します。
ビジネス用途,リアルタイム利用等,高速に日本語の文章を打つ場合には,かな入力は必須です。そこで,JISかな,またはNICOLA*1を標準で使えるようにし,配列についてもカスタマイズできるようにしています。
ソフトウェアの設定については,コンピュータに詳しくないユーザーにとって設定ファイルの書式や命令などを調べる手間が煩雑であることを考慮し,Q's Nicolatter ではgtk+ベースの設定プログラムを同梱しています。これによりキー配列等も容易にカスタマイズできます。設定ファイルはテキストファイルなので,テキストエディタでも編集できます。
*1 私はNICOLA使いなのでNICOLAで述べますが,他の入力方法でも本質は変わりません。ローマ字入力はあまりにも日本語入力に向いてない,ということです。
NICOLAの利点は,「ラク」の一言に尽きます。ローマ字入力でチャットしている人を後ろで眺めると,大量にキーを叩いていてとても大変そうです。NICOLAだと,同じ分量を入力するのにキーを叩く量は半分で済みます。もちろん大きな文書を書くのにも有用ですが,そうでなくても,疲れにくく思考を妨げません。
ローマ字入力からNICOLAへの移行は大変という主張がありますが,それは誤りです。ローマ字入力とNICOLAとではキャパシティというか,限界が根本的に異なり,前述のように叩く量が半分でいいので,かなりたどたどしい指運びでもローマ字入力より速くなります。私の場合だと,10年程度ローマ字入力でしたが,移行にはそれほど期間を要しませんでした。
ローマ字入力からNICOLAへの移行は,おおむね2週間〜3週間で元の速さ(文書量がローマ字入力のときと同じぐらい=キーを叩く量は半分),3ヶ月程度で今までの2倍の速さ(半分の入力時間)ぐらい。ローマ字入力とNICOLAとを併用せずに,一気に移行するのが重要です。
なお,NICOLAは日本語入力コンソーシアムが管理しています。
LinuxシステムならWnn/Cannaを整える以外特別必要なことはありません。glibc 2.1以降を採用したLinuxディストリビューションなら問題ないはずです。
*1 『えせかんな』を経由してVJE-Delta, ATOKを利用できます。えせかんなは次のWebサイトから入手できます; ESE Canna Official Web Site!!*2 Canna/えせかんなを使う場合は,添付のワイド文字対応化パッチをlibcannaに当てる必要があります。
2002.06.08 Red Hat Linux 7.2のFreeWnnは壊れているらしく,まともに使えません。Red HatのFreeWnnをアンインストールし,DebianなどのFreeWnnパッケージを自分でインストールしてください。
(2005.11.26、バージョン1.7.9から)
Q's Nicolatter for Xは、オープンソースソフトウェアです。Common Public License V1.0でライセンスします。ただし、日本法に準拠するものとします(第7条第5パラグラフ)。
Q's Nicolatter for X is an OSI Certified Open Source software.
Q's Nicolatter for X is licensed under Common Public License V1.0, provided that the agreement is governed by the laws of Japan. (See the 5th paragraph of Section 7.)
Git repository: netsphere / xnicolatter · GitLab
パッチなどは,いつでも歓迎です。
以下でバイナリパッケージが公開されています。他にもあるかもしれません。
手書き認識ソフトkanjipadが以下で公開されています。nicolatterと併用すると便利です。<patches>