ファイル共有 (文書管理) の課題

よくある課題

Windows共有フォルダ

企業などの組織でファイルを共有したい場合、Windowsの共有フォルダがよく使われます。

サーバは Windows Server (Active Directory とファイルサーバ) で構成したり、チープにいくなら Samba を使ったりします。

もっとも、Windows共有フォルダは、システム管理者が設定を行うため、規模が大きくなると、

  • システム管理者に設定の負荷が集中する
  • 一時的なタスク、一時的なプロジェクトなど、アクセス制限しつつad-hocな共有フォルダを作るのが面倒, というかほとんど無理
  • 文書のバージョン管理ができないため、どれが最新か分からなくなったりする
  • 人事異動などに伴って、メンテナが不明なファイルが増えていく

ということが起こりがちです。収拾がつかなくなっていきます。

バージョン管理システム

バージョン管理システムを導入する手もあります。たとえば、サーバに Subversion, クライアントにTortoiseSVN など。

しかしながら、これはファイルシステムと統合されていないので、

  • 単にファイルを移動したり削除すると、データ不整合になる
  • いちいちcheck outするのが面倒、というかオフィスの全員に徹底できない
  • 他人と更新が衝突したときが大変。ExcelやWordファイルのようなバイナリファイルだとどうにもならない

オフィスではとても運用できません。

文書管理

ところで、ファイルをどのように管理すべきか、ですが、文書 (documents) と記録 (records) で要求が異なります。

もちろん, こんな管理が不要な, 雑多なファイル (データ)も大量に発生します。

まぁ、文書と記録を分けるのはそんなに簡単ではないようです; 文書ではないドキュメント

文書

「文書」とは、規程、標準業務手順書 (SOP), マニュアル, などなど、

  • 何度でも繰り返して使う(参照する)
  • 必要に応じて改定する
という特徴があるファイル (データ) で、永続するものです。

例えば、次のように管理 (management) しなければなりません;

  1. 運用する文書の版を識別する
  2. 最新の版が必要な部署(外部の委託先を含む。)で使えるように配備する
  3. レビューする
  4. 必要な人が簡単に参照できる
  5. 古い文書を識別し、使用されないようにする
  6. 外部から入手した文書(例えば、規制当局やメーカーからの文書)を配布する

記録

いっぽう「記録」(record) は、次のような特徴があるものです;

  • 個々の業務の結果(出力)
  • 完了すれば繰り返し使われない
  • 改定してはらならない(改定は改竄になる)
  • 組織が決めた一定期間後は、廃棄してもよい

適切に, 改竄されないように手当てしなければならない。