親指シフト (NICOLA) の薦め

(2012.3) ページを独立。

キーボードでの日本語入力方式、NICOLA (親指シフト) について。

ローティーン向けファッション雑誌 nicola と紛らわしい (?) ので、以降は, 入力方式を指すときは親指シフトと書きます。

日本語の入力方式あれこれ

(1999.7の日記に加筆。)

キーボードでの入力方法のデザインは、いくつかに分解できます。これらは互いに関連していますが、ある程度別々に差し替えれます。

順に見ていきます。

変換方式

キーボードからの日本語テキストの入力方式には、大きく分けると次のものがあります。

ローマ字→かなの部分は、普通は自動です。

(キー操作)---> ローマ字  ---->  かな  ---->  漢字かな交じり
                        |            |
                  ローマ字変換    かな漢字変換

かな入力なら仮名からスタートし、漢直ならタイピングで直接漢字かな交じりのテキストを生成します。

ローマ字入力だと覚えるキーはキーは少なくてすみます(概ね20ぐらい)が,かな,漢字と変換していくので,やや遠回りです。

一方,漢字直接入力(漢直)は,かな漢字変換が必要なく,1文字につき2~3打鍵程度で入るので,強烈に速く入力できます。しかもワープロ文書でよく見られる同音異字の誤りが生じる余地がありません。ただ,覚える量も半端ではありません。日常使いするためには、だいたい1,000~1,500字ぐらいは必要。

実際には, ローマ字入力でもキー配列をQWERTYでなくして効率を上げたり (M式など。本当に効率が高まるか疑問だが。)、漢直でも仮名漢字変換を併用して覚える労力を軽減したり(TUT-code)いろいろ工夫はあります。

親指シフトはかな入力です。

業界によってはローマ字入力以外が主流のことがあります。昔、会計事務所に勤めていたことがありますが、全員かな入力でした。大量のタイピングをするところではかな入力がメジャーです。業務アプリによっては、漢直でも入力できるのを見たこともあります。

日本語テキストを多く入力するなら、普通にかな入力でいいと思う。50字ぐらい覚えるのは楽勝。そのうち漢直もやってみたい。

シフト方式

今度はシフト方式です。これもいくつかあります;

  1. シフトキーを押しながら文字キーを打つ
  2. シフトキーを打って、文字キーを打つ
  3. シフトキーと一緒に文字キーを打つ
  4. 文字キーを二つ続けて打つ (2ストローク)

ここで「打つ」というのは、1アクションとしての「押して離す」です。

最初のがメジャーな方法です。ただ、シフト側の文字を入力するにはシフトでない側に比べて時間が掛かり, 調査によると 1.2~1.3倍程度のようです。キー配列との関係で, シフト側の文字を打つときにリズムが乱れます。

2番目の方法は一時JIS化されていました (すでに廃止)。片手で打てるメリットはありますが、あまり効率重視ではない。

3番目の方法が親指シフトの方法で、「同時打鍵」といい、特許されています。タイミングを図にしてみました;

同時打鍵は、シフトキーと文字キーを「おおむね同時」に打つことでシフト側の文字を入力します。「おおむね」というところが肝で、これによりシフト側もシフトでない側と同じリズムで入力できます。

リズムが乱れない、また、高速に入力できることで、タイピングが思考を邪魔しない、と言われています。

ただし、片手で打てない、という弱点があります。-- 専用キーボード (シフトキーが独立) では, 1, 2番目の方法にも対応しているのでこの弱点はない, らしい。

最後の方法は、漢直で用いられる方法で、二つ文字キーを打つことでテキストを生成します。

キー配列

最後はキー配列です。

キーボードのキー数に制約がなければ、(まともな範囲で) たくさんキーを並べることで、それだけ1アクションで入力可能な文字が増やせます。

現実はそうではないので、いろいろ工夫が必要です。ケータイでは、10キーしかないので、もっとまどろっこしい。

かな配列でも、JISかなだけでなく、例えば50音配列もありえます (例えば, 昔のMSX)。

親指シフトは、左右のシフトを区別することで1キーに3文字を割り当て、3段にすべての仮名を配列しています。

親指シフトの薦め

長々と日本語テキストの入力方式を見てきましたが、親指シフトが素敵なのは、次の点です;

実は、少々効率がいい、というレベルではまったく話になりません。わはは。もちろん、趣味でいろいろキー配列などを替える、というのを否定する訳ではありません。

一番困るのは、PCなど機械を買い換えたときに使えなくなることです。

親指シフトは, 効率のいい方法のなかでは唯一メジャーです。

キートップの刻印が親指シフト配列になった専用キーボードも売っていますし、それを使わなくても, Linux であれば、そもそも何もしなくても親指シフトが選択肢にあるので、導入初日から使えます。

Windows では、ネットからダウンロードできるソフトがいくつかあります。

親指シフト化

専用キーボードは値が張るので、最初は, ソフトウェアでキー配列を交換するのがいいでしょう。

物理キーボード

JP106/109キーボードでも, スペースバーが短く, 変換キーが左に寄って配置されているものであれば, 問題なく入力できます。

今買える人間工学キーボード (2014年)

Windows

Windowsでは、拙作の Q's Nicolatter で親指シフトにできます。親指シフト以外の配列、打ち方にも対応。

管理者権限がないPCでもインストール可能ですので、組織のポリシーにもよりますが、会社のPCにも導入できます。

Linux

Linuxでは、Fedora 10 Linux だと標準でインストールされる、SCIM + Anthy の組み合わせが, 最初から親指シフトが選べるようになっています。

SCIM の設定画面の、Anthyの入力方式で選択できます。

Fedora 16 の ibus でも, 同様に, 標準で親指シフトが選べます。(ibus-anthy)